【知的障害】 兵庫ピープルファースト会議報告
野崎泰伸(障問連事務局)
2017年度から、障問連としても組織的に知的障害者の運動との連携を図っていくことになりました。昨年12月7日にえんぴつの家で行われた兵庫ピープルファースト事務局会議から、障問連事務局として野崎が参加させていただいています。当事者・支援者合わせて11人の参加がありました。
議題は、12月24日に迫っていた忘年会の段取りについて、1月に行われる兵庫ピープルファーストの会議について、12月4日に尼崎で相模原の障害者殺傷事件に関して行われた集会で発言された岸田さんの報告、野崎より障問連からの話し、そのほかの議題を話しました。
1月の兵庫ピープルファースト会議では、2017年の予定、会計報告、新年の目標について話されること、また、それぞれの司会担当が決まりました。岸田さんからは、12月の尼崎集会(前号掲載)の報告がありました。野崎からは、2017年度より障問連との連携について話しました。
そのほかの議題では、やまゆり園に行ってみたい、という声が上がり、「京都のピープルファーストが行っているから行くというのはしんどくなるのでは」「お金はどうするのか」という意見がある一方、「実際に見ないとわからない」「夜行バスで行けば安い」などの意見もあり、1月の会議で継続して話すことになりました。
次回の事務局会議は、1月25日(水)、14時~、みんなの労働文化センターにて行います。
兵庫ピープルファースト会議は、1月28日(土)、14時~、場所未定です。
以下、2016年10月27日に行われた「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム(https://daiforamu1027.jimdo.com/)においてピープルファーストジャパンが出した声明文を掲載します。
参考 ピープルファーストジャパン声明文
津久井やまゆり園虐殺事件を糾弾する
2016年7月26日、朝のテレビニュースは大変ショックで、言葉になりませんでした。
頭の中は、なぜ!なぜ?と混乱してしまいました。
何度もやまゆり園に献花に行った仲間がいます。
外に出るのが怖くなった仲間がいます。
重度と言われる兄弟のことを思った仲間がいます。
入所施設での生活を思い出して涙した仲間がいます。
社会の偏見や差別を感じ、自分を責め、怒りに震える仲間がいます。
やまゆり園にいた友だちがどうなっているのか心配している仲間がいます。
同じ目線に立てる仲間が心のケアに入っていないことを不安に思っている仲間がいます。
「障害者はいらない」という言葉は私たちに向けられています。
小さいころからバカにされて、お荷物だと言われた私たちだからわかります。
人に負けないほど困難を越えてきた私たちだから許せません。
人の命を支配することは誰にもできないし、しようとしてもいけません。
施設のカギは私たちを閉じ込めておくためだったのではないですか。
なぜ重度と言われる仲間が施設に集められているのですか。
一緒に暮らせなかった家族は、預けなければならなくなった理由を話してくれませんか。
職員は、人として私たちたちと向き合ってくれていたのか振り返ってくれませんか。
みんな、私たちの気持ちを希望を夢をちゃんと知ってくれていますか。
私たちにつながる人たちのうわべのやさしさが犯人に間違いを起こさせたのではないですか。
犯人の措置入院と薬物使用が事件の背景のように言われています。
でも、立ち止まってみてください。
いま、私たちの暮らし方を国や行政や親が勝手に決めています。
根っこから変えないと変わりません。
入所施設はいりません。
いま、私たちの自由になるお金はどんどん減っています。
いま、私たちへの虐待はどこでもいつでもおきています。
入所施設を建てかえるお金を地域移行に使うことが、2度と虐殺が起きないことへつながります。
私たちは虐待を許しません。
私たちは障害のない人と同じ権利を求めます。
知的障害と言われる私たちは、つながり、力を合わせます。
私たちはいきいきのびのびゆうゆうと生きていきます。
今こそ、入所施設のすべての仲間が地域で暮らせるように声をあげます。
私たちは障害者である前にひとりの人間です。
<行動提案>
こんな大きな事件がおきても、障害のある私たちの意見をきかれることはありません。
私たちの声をもっと社会にとどけなければいけません。
介護のたくさんいる仲間が、施設ではなく街で暮らしていることをもっと知ってもらいたいです。
私たち1人ひとりのことも知ってもらいたいです。
「障害者はなくしてしまえ」という優生思想と闘うために、同じ気持ちの当事者グループ、市民の運動と協力して、この秋、全国各地で集会をしよう。
2016年9月21日
ピープルファーストジャパン会員一同
紹介 「知的障害者の自立生活についての声明文」にご意見を!
https://jirituseikatu.jimdo.com/
「だれもが地域で暮らしていくために」
意思決定支援や常時介助を必要とする知的障害のある人たちに提案される生活は家族との同居、グループホーム、入所施設に限られていることが多くあります。
現行の障害福祉サービスを活用することで地域の中で自立した生活を構築することが可能になってきている状況の中で障害者支援に関わる人たちが『最初に提案される選択肢』として地域での自立生活を意識してあげていく必要があると、わたしたちは考えました。
このサイトでは「知的障害者の自立生活についての声明文 素案」を提案し修正意見を募ります」とのこと。関心のおありの方はぜひアクセスしてみてください。
素案作成者は、櫻原雅人(特定非営利活動法人はちくりうす)、鶴田雅英(東京都大田福祉工場)、中村和利(特定非営利活動法人風雷社中)の3氏です。
1月 6, 2017