【報道】 新聞記事より
■労働局、障害者職員配慮せず…厚労省が厳重注意
読売新聞 2016年10月14日
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20161014-OYO1T50012.html
発達障害のある非常勤職員の女性に対して必要な配慮を怠ったとして、厚生労働省が8月、兵庫労働局の前局長ら5人を厳重注意処分としていたことが、関係者への取材でわかった。
厚労省や女性の代理人によると、女性は障害者雇用を進める国の制度で昨年6月から10か月間の期限付きで同労働局に採用された。人との応対が苦手な面があり、勤務条件には就労前の話し合いで「1人になれる作業空間や休憩場所のある環境」などを挙げていた。
しかし実際には配慮しない職場に配置され、女性の家族からの改善要望にも対策を講じなかったという。女性は精神的な負担から、同10月下旬に勤務を続けられなくなったという。
同労働局は「労働局でこうした問題が起こり、大変申し訳ない」としている。
■県の精神障害者支援チーム 患者転居時の連携課題
神戸新聞NEXT 2016/10/13 07:00
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201610/0009576628.shtml
措置入院した精神障害者支援のため兵庫県が本年度、県内13カ所の健康福祉事務所に設けた「継続支援チーム」について、県は12日、独自に健康福祉事務所を設ける政令市、中核市との連携や、保健師らの負担増に課題があると明らかにした。
措置入院は自傷他害の恐れがある際、強制入院させられる制度。同チームは、洲本市で昨年3月に男女5人が刺殺された事件で、被告が退院後に治療を中断していたことを受けて設置した。保健師らが入院中から患者や家族と話し合って退院後の課題を把握。継続した見守りにつなげる。
県は、12日の県議会決算特別委員会で長岡壮寿議員(自民党)の質問に、4~6月に同チームが支援を始めた患者が10人になったと説明した。
県によると、退院後、県管轄外の神戸、姫路、尼崎、西宮市に転居した場合の支援のあり方が課題で、県は各市と、支援が途切れない態勢づくりを話し合っている。また、保健師らは時間をかけた丁寧な対応が求められるため、対象者が増えれば業務量の増加が見込まれ対策が必要になる可能性があるという。(斉藤正志)
■「柵のないホームは脅威」 視覚障害者、死亡事故で高まる不安
日本経済新聞 電子版 2016/10/17 13:15
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17H46_X11C16A0CC0000/
大阪府柏原市の近鉄大阪線河内国分駅で16日に視覚障害のある男性(40)がホームから転落し、特急電車にはねられ死亡した事故を受け、視覚障害者らの間で改めて鉄道利用への不安が高まっている。
府警柏原署によると、男性は親族の女性2人と特急の通過待ちで停車中の電車内にいたが、女性らが目を離している間に1人で下車した。転落場所のホーム幅は約3メートル。転落防止用の柵はなかった。この日は白杖(はくじょう)を持っていなかったという。
親族らの話では、男性は電車の走行音や駅の構内アナウンスなどを聞くのが好きだったといい、同署は音を聞こうと下車して特急に近づいた可能性があるとみている。
東京メトロ銀座線でも8月、盲導犬を連れた男性が転落して死亡した事故が発生したばかり。堺市視覚障害者福祉協会理事で全盲の土屋昭男さん(52)は「視覚障害者にとって柵のないホームは断崖絶壁の上を歩いているようなもの。駅という日常生活に必要な場所が自分たちには脅威となっている」と話す。
■解雇された障害者が提訴 習志野市に取り消し求め
東京新聞 2016年10月12日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016101202000135.html
千葉県習志野市に正規職員で採用され、試用期間終了直前に解雇された障害者の男性(28)が十一日、「解雇は不当だ」として、市に解雇の取り消しなどを求める訴訟を千葉地裁に起こした。
訴状などによると、男性は生まれつき左足が不自由で障害者手帳4級の認定を受けている。昨年六月に障害者枠で一般事務職として市に正規雇用された。当初は六カ月だった試用期間が三カ月延長され、試用期間が終わる直前の今年二月末に解雇された。
市によると、男性は、介護保険課と総務課で働いた際、データの入力漏れやレコーダーの文字起こしなどで誤りがあったという。市側は「健常者と同じ事務能力がある前提で採用したが、能力が基準に達しなかった」と解雇の理由を説明。
男性側は「解雇されるほどのミスではない。働く環境の整備を怠り、適切な指導もなかった」と主張している。
習志野市の宮本泰介市長は「訴状を確認したうえで、しっかり対応する」とのコメントを出した。
◆「市民のため働きたい」
「解雇取り消しが認められたら、習志野市民のために働きたい」。男性は提訴後に記者会見し、裁判への期待を語った。
生まれつき左足が不自由な男性は小中高校と普通学級に通い、昨年春に関西の大学を卒業した。「利益を追求せず、人のために働ける」と公務員を志し、習志野市の一般事務職員の障害者枠に応募し、合格した。
半年間の試用期間中、介護保険課でデータ入力や窓口対応などを担当。接客が苦手で入力ミスもあったため、試用期間が三カ月延長された。その後、総務課では国勢調査の事務、会議の設営・記録などを担当。「大きなミスなくできた」と感じていたが、試用期間が終了する直前に解雇された。
復職を強く求めたが、労使交渉は不調に終わった。復職が目的のため、男性は「裁判で勝つしかない」とアルバイトで生計を立て、訴訟の準備を続けてきた。
男性は「障害があっても、できることはいっぱいある、復職できれば、他の障害者のためにもなると思う」と話した。 (服部利崇)
■たのもー!フェミ女道場
私たちもやってます DPI女性障害者ネットワーク 当事者抜きで決めないで
毎日新聞2016年10月24日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/articles/20161024/ddn/013/040/024000c
障害者政策を決める場に女性は少ないが、女性政策を議論する場も障害者はほとんどいない。当事者団体「DPI女性障害者ネットワーク」(東京都)は、こんな現状に「私たちのことを私たち抜きで決めないで」と訴える。
視覚障害のある藤原久美子代表(52)=神戸市=は、娘(11)を妊娠した時に周囲から堕胎を勧められた。「それは差別」と怒りを覚えたのは、約6年後に運動に関わり始めてから。「社会の価値観を内面化し、言われても仕方がないと思っていた」と振り返る。2011年に女性ネットが実施した実態調査は、回答した87人の3割超が性的被害に遭っているなど過酷な状況を浮き彫りにしたが、「答えた人が差別に気づき、声を上げていいと思える効果もあった」という。
メンバーは今年2月、スイスであった国連の女性差別撤廃委員会の対日審査に際し、委員らに状況を訴えた=写真・女性ネット提供。同委は▽障害女性が行政などの意思決定の場に参画できる措置▽雇用分野での障害女性の統計調査--などを勧告。藤原さんは「勧告の内容を国が確実に実行するよう社会の関心を高めたい」と話す。
11月 8, 2016