国/県の制度

【報告】 国の制度動向

【報告】 国の制度動向

障問連事務局

■障害者政策委員会/「障害者権利条約~第1回報告書」に向けて

障害者権利条約に批准すれば2年後の政府報告書が義務付けられています。それに向け、監視機関である「障害者政策委員会」での議論が始まりました。それも含めた全般状況について、DPI日本会議事務局長の佐藤さんのレターを、以下に紹介します。

 

全国のみなさん

DPI日本会議の佐藤聡です。3月から障害者政策委員会が再開されましたので、傍聴のお願いと、いまどんなことをやっているのかという経過を少しご説明します。

○差別解消法 基本方針と対応要領・対応指針

差別解消法のガイドラインは、内閣府がつくる基本方針と各省庁がつくる対応要領・対応指針があります。基本方針については昨年の9月から政策委員会で議論を重ね2月24日に閣議決定し、正式に確定しました。この間、全国のみなさんにはパブリックコメントを多数お寄せいただきありがとうございました。パブコメを受けての修正は3点にとどまりましたが、原案から後退することなくまとまったという点で非常に良かったと思っております。

対応要領・対応指針は各省庁で作るのですが、こちらは障害者政策委員会では議論することができません。省庁が独自に委員会をつくったり、ヒアリングを行ったりして作成します。インクルーシブ教育が焦点となる文科省や、国交省、厚労省など私たちに身近で重要な省庁については、働きかけが必要です。DPIでは、差別解消法PTを立ち上げ、提案する意見の取りまとめを始めました。

できるだけ速くまとめて、各省庁に対して働きかけをしてゆきたいと思います。

○障害者権利条約第 1 回政府報告作成について

日本も障害者権利条約を批准しましたので、国連障害者権利委員会の審査(建設的対話と呼びます)を受けます。批准2年後までに日本政府は第一回の政府報告書(イニシャルレポート)を提出しなければなりません。これが来年の2月19日までになります。

3月27日の政策委員会で、はじめて「障害者権利条約第 1 回政府報告の留意点及び骨子(案)」という資料がだされ、外務省から政府報告作成のスケジュールが示されました。条約の第1条から33条までを、どの省庁が担当してまとめるか、ということが示されています。

政府報告は、単にどのような法律があってどのようなことをやっているという報告にとどまるのではなく、なにを目指して、どこまで出来ていないのかまでも率直に報告してほしいと考えています。昨秋の権利委員会を傍聴した時にニュージーランド政府は素直にできてないことも報告していました。これが、さらなる前進につながる報告だと感じました。

障害者政策委員会は、権利条約の国内モニタリング機関に位置づけられていますので、政府報告について一定の議論が出来ます。これから夏にかけて政策委員会では、第3次障害福祉計画の実施状況の検討を行いそれを踏まえて政府報告がまとめられていきます。

国連障害者権利委員会の審査は4年ごとに行われるのですが、現在、審査待ちが40数各国にもなっており、2回目の審査と3回目の審査をまとめて行われる状態になっています。

そのため、2回目の審査は約10年後と見られており、第一回政府報告が非常に重要になっています。私たちは政府報告を日本の障害者福祉の発展につなげる機会にしたいと考えており、そのために、政府報告の作成を重要視しております。

■4月17日「障害者政策委員会」(第20回) 第3次障害者基本計画の実施状況の監視について

・障害者権利条約に基づく政府報告の提出等をにらみ、第3次障害者基本計画の実施状況の監視を行う。監視は、分野別施策の基本的方向等に沿って行い、「議論の整理」としてとりまとめる。

・権利条約に基づく政府報告の作成にあたっては、第3次基本計画の実施状況の監視を通じて、当委員会から意見を聴取し、反映する。

・監視を行うに当たっては、

①    重複障害、発達障害、新たに法律で位置づけられた「難病」という分野にも十分留意し、また、女性・  子ども・高齢化といった横断的な視点にも立って行う。

②   可能な限り、地域における障害者をとりまく状況の差異という視点も踏まえて行う。

・議論を深めるべきテーマについては、別途、ワーキング・セッションを開催して議論し、その成果を「議論の整理(たたき台)」としてとりまとめ、委員会での議論の基礎とする。

○「ワーキングセッション」

【成年後見制度も含めた意思決定支援など】「1.生活支援」「8.差別解消及び権利擁護の推進」

【精神障害者の地域移行の支援など】「2.保健・医療」

【インクルーシブ教育システム、雇用など】「3.教育、文化芸術活動・スポーツ等」「4.雇用・就業、経済的自立の支援」)

【情報アクセシビリティ】「6.情報アクセシビリティ」

○今後の予定

7月に各ワーキングセッションの報告がされ、8月に議論の整理、また外務省から政府報告書案も提示され、その両者を合わせて議論され、9月下旬に「政府報告書」がまとめられる予定。

 

■4/28社会保障審議会障害者部会・・・総合支援法3年後の見直し論議始まる

・今後のタイムスケジュール

4月28日フリートーキング

5月末~6月中旬関係団体ヒアリング(4回程度)

7月~11月個別論点について議論(月2回程度)

11月~12月目途とりまとめ(予定)

 

■4/27「財政制度等審議会/財政制度分科会」の社会保障関係で障害者福祉が取り上げられる・・・・

・都道府県等による実地指導が低く、全事業者への実地指導の徹底。

・本来の趣旨に則ったサービス利用の適正化・・・短期入所/生活介護

・今後も親の高齢化等によりサービス需要が伸びるため真に支援が必要な人に支援を行き届かせる観点からの見直し・・・「家事援助→介護保険と同様に給付の在り方見直し」「インフォーマル支援の導入/地域生活支援事業の活用」「就労系・GH→支援区分に応じた利用限度額の導入」「通所における食費負担軽減措置の見直し」

〈以下、福祉新聞より~「次の改訂も引き下げ」「財務省が社会保障抑制策」〉

・2020年度の基礎的財政収支の黒字化に向け、財政健全化計画を今夏に策定。そのためには社会保障関係の抑制は不可欠。

・高齢化に伴う自然増は年間1兆円だが、財務省は高齢化による増は半分、残り半分を抑制対象にする。

・介護保険・・・軽度者の生活援助を原則自己負担(一部補助)、地域生活支援事業にさらに移行させる。2割負担者の範囲を広げる。

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