新聞記事から

【報道】 新聞記事より

■公的保険のモラルハザード問題にも言及 経済同友会が提言

医療介護CBニュース 2015年4月30日 17時00分
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45592.html

 

経済同友会は、今後の医療制度に関する提言をまとめた。提言では、薬の過剰投与や「ドクターショッピング」といった公的医療保険をめぐるモラルハザード にも言及し、こうした問題を防止するため、DPC制度の拡大や保険者によるレセプトチェックなどを徹底する必要性を指摘している。【敦賀陽平】
提言は、▽国民の理解を促進する▽給付と負担を抜本的に見直す▽公的医療保険の在り方を見直す▽保険者としての機能を強化する▽医療サービスの効率化とイノベーションを促進する―の5本柱。
将来的に持続可能な医療制度にするため、国民が自らの健康に責任を持ち、軽度の身体の不調は自分で手当をするセルフメディケーションに取り組む必要性を示すとともに、医療に関する国民的な議論を巻き起こすことによって、世論を成熟させるよう求めた。
また、平均在院日数の短縮や後発医薬品の使用促進といった給付の抑制を進める一方、所得のある高齢者の医療費の自己負担を3割に引き上げるなど、負担を見直す必要性を指摘した。
さらに、関係者の連携を推進することによって、利便性の高い地域包括ケアシステムの構築とともに、総合診療専門医(かかりつけ医)の普及や、医療関連データの利用拡大などICT(情報通信技術)の利活用の推進を要望した。
終末期医療の議論開始を
提言では付言として、「多くの議論を経て尊厳死を法制化した国・地域が増加している」として、終末期医療をめぐる議論を開始するよう求めた。

 

 

■障害者との共生モデルに

読売新聞オンライン 2015年05月02日

http://www.yomiuri.co.jp/local/hyogo/news/20150501-OYTNT50394.html

 

◇泉・明石市長、初登庁で抱負

統一地方選で再選を果たした明石市の泉房穂市長が1日に初登庁し、記者会見で「障害のある人とともに生きていく当たり前の社会を目指し、明石がそのモデルになる」と強調、2期目への意気込みを語った。

泉市長は、聴覚障害者の家根谷敦子さん(55)が同市議選で初当選したことについて改めて言及。「障害のある人を選出した市民を誇りに思う。市職員や市民が手話を学ぶ機会をもっと増やしたい」と述べ、今年度から手話通訳士の支援を拡充することもアピールした。さらに、障害のある児童・生徒が特別支援学校だけでなく、地域の小中学校にも通えるよう、市としてサポートしていく考えも示した。

 

 

■耳不自由な明石市議に公費で手話通訳者 補正予算要求へ

神戸新聞NEXT 2015/5/18 22:26

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201505/0008038649.shtml

 

明石市会は18日、聴覚障害者が当選したことを受け、本会議や委員会などに出席する場合、公費負担で手話通訳者を置く方針をまとめた。本年度分の通訳者の報償費について補正予算400万円を要求する予定だという。

同市会は、4月の市議選で生まれつき耳が聞こえず話せない家根谷敦子議員(55)が初当選したことから、代表者会で対応を協議してきた。15日に開かれた改選後初の本会議で、議場の議長席の隣に手話通訳者を初めて配置した様子を考慮した上で、基本方針を確認した。

手話通訳者を置くのは本会議や委員会への出席時で、委員外委員として出席する場合も同様に対応する。通訳者は手話通訳者協会に依頼する。

市議会事務局の報告や説明などは、手話ができる市職員が本来業務に支障がなければ応じるか、同協会に派遣を依頼するかなどを検討する。一方、地域の会合や 行事などについては議員本人が通訳者を手配。経費を政務活動費として計上することができるかどうか検討する。(金山成美)

 

 

■みのひだフォーカス:新型出生前診断(NIPT) “命の選別”懸念も 岐阜大付属病院、カウンセラー常駐で対応/岐阜

毎日新聞 2015年05月05日 地方版

http://mainichi.jp/area/gifu/news/20150505ddlk21040037000c.html

 

岐阜大付属病院は近く、妊婦の血液から胎児のダウン症などの染色体異常を調べる新型出生前診断(NIPT)を始める。実現すれば県内で初めて。検査で陽性と診断された妊婦が中絶するなど、命の選別につながるとの懸念も指摘される中、同病院は専門のカウンセラーを置くなどして態勢を整える。

NIPTは、妊婦から通常の血液検査と同じ方法で採血するだけで、胎児に染色体異常があるかどうか検査できる。羊水検査に比べ、母体や胎児への負担が大幅に軽減できる上、診断の精度も35歳で約8割と高い。

NIPTを実施する医師らがつくる「NIPTコンソーシアム」によると、2013年4月から1年間に全国で7740人が検査を受け、142人が陽性と判定された。さらに羊水検査などを経て胎児の異常が確定した人の97%が人工中絶を選んだ。

岐阜市の産婦人科医、宮崎千恵医師は「NIPTが安易に広まり、正しい知識を持たないまま不安だけが増幅して中絶が増えるのは望ましくない」と警鐘を鳴らす。

NIPTが安易に広まるのを防ぐため、日本産科婦人科学会は認定した病院でのみ実施を許可している。認定要件の一つは妊婦へのカウンセリング態勢の整備だ。岐阜大付属病院は、妊婦をサポートする専門のカウンセラーを常駐させる方針だ。検査前に全員にカウンセリングを受けさせ、検査は100%の精度ではないことや、確定診断には羊水検査が必要なことを説明する。検査後にも再度カウンセリングする。同病院遺伝子診療部の深尾敏幸医師は「ダウン症の子どもが成長する過程や社会で活躍する姿も伝える。『こうした方がいい』という提案はせず、事実を話して妊婦とパートナーの決断を支える」と話す。

もし今妊娠したら、NIPTを受けるか--。岐阜市の40代女性はしばらく考え込んだ末に「私一人の問題ではない。夫や娘の意見次第では受けるか も」と答えた。別の30代女性は「赤ちゃんの性別を調べるように、胎児の染色体異常も気軽に調べる時代が来るのかな」と語った。ダウン症の息子を育てる県内の40代の女性は「検査が広まるのは止められないかもしれないが、さみしいこと」と話しつつ、「もし今妊娠したら検査を受けるかもしれない。ダウン症の子どもが2人になったら、年を取った時に支えきれるかどうか不安」と葛藤する気持ちを明かした。【野村阿悠子】

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◇新型出生前診断

妊娠10~22週の妊婦の腕から採血し、胎児に先天性の病気があるか検査する。検査できるのは日本産科婦人科学会が認定した医療機関で、3月現在45病院で実施している。検査を受けられるのは、出産予定日に35歳以上か、過去にダウン症候群の赤ちゃんを妊娠・出産した経験がある場合などに限られる。

 

 

■障害年金地域差3年放置 厚労省 把握後も調査せず

東京新聞 2015年5月11日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015051102000132.html

 

国の障害年金を申請して不支給と判定される人の割合に最大六倍の地域差がある問題で、厚生労働省が遅くとも二〇一一年に問題を認識しながら昨年まで実態を調査せず、支給実務を担う日本年金機構の対策が後回しになっていたことが十日、共同通信の情報公開請求に対して開示された会議録で分かった。

地域による判定のばらつきは昨年、共同通信の取材で判明。厚労省と年金機構が対応に乗り出したのはその後で、今年二月に専門家検討会を設置し、客観的な判定指標の策定などを進めている。

多くの人が受け取る障害基礎年金では、年金機構の都道府県事務センターが各地の医師(認定医)に審査を委託しており、機構は一一年十一月、全国の認定医を集めた会議を都内で開催した。

開示された議事録によると、会議に出席した厚労省の担当者は「同じ障害の状態であるにもかかわらず、(地域によって)等級(の判定)が違うことがある」と指摘。

さらに、各事務センターで審査する障害基礎年金と、機構本部が一括で扱う障害厚生年金の間でも違いがあることに触れ、「国民(基礎)年金、厚生年金で異なる判断をしているのはまずい」との認識も示していた。

担当者は「認定の均一化が最重要課題」として、判定にばらつきが出ないよう審査基準の改正と年金機構の事務運営の見直しを図る考えを表明。しかし厚労省は基準改正は実施したものの実態を把握するための調査には乗り出さず、事務運営見直しは進まなかった。

この担当者は取材に対し「業務の優先順位があり、何もかもはできなかった」と話している。

 

 

■障害年金審査で家族も調査、兵庫 機構本部が実態確認へ

東京新聞 2015年5月11日 20時30分

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015051101001875.html

 

日本年金機構が都道府県ごとに置いている事務センターの一部が、障害年金の支給審査で独自の調査用紙をつくり、兵庫では申請者に対し、同居家族の名前や就労状況など審査に関係ないはずの項目まで記入を求めていることが11日分かった。

兵庫は厳しい審査で知られ、家族の収入などを不支給の判断材料にしている可能性がある。年金機構内部からも「不適切だ」と疑問視する声が上がっており、機構本部は、兵庫をはじめ全国の事務センターの事務運営に関し実態を調べる方針。

独自の調査用紙の使用が判明したのは兵庫のほかに東京のセンター。

 

 

■施設職員、障害男性の裸をトイレで盗撮し公開

読売新聞オンライン 2015年05月17日 06時20分

http://www.yomiuri.co.jp/national/20150516-OYT1T50105.html

 

さいたま市南区の障害者就労支援施設「キャップの貯金箱」で、30歳代の男性職員が知的障害のある男性2人の裸をトイレで盗撮するなどしていたことが市への取材でわかった。

市は15日、虐待にあたる可能性があるとして障害者総合支援法に基づいて施設に立ち入り監査を実施し、指導や処分を検討している。

市障害福祉課によると、職員は1月、施設のトイレで、仕切りに使われているカーテンの隙間から、同施設で訓練を受けている男性2人の裸を盗撮。加工するなどした画像を施設の共用パソコンで誰でも見ることができる状態にしたほか、複数の同僚に送信したという。

市の調査に対し、職員は「2人に服を脱ぐ癖があり、本人たちに画像を見せてやめさせるために撮影した」と説明しているという。

別の職員から市に情報提供があり発覚した。

 

 



障害者差別:解消へ指針、県が作成へ 配慮欠ける行為例示/兵庫
毎日新聞 2015年05月27日 地方版
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20150527ddlk28010408000c.html

 

県は、障害者への差別にあたる行為を明確にしたガイドライン作成に乗り出す。来年4月に「障害者差別解消法」が施行予定で、見過ごされがちな障害者への配慮に欠ける行為なども例示して、法の実効性を高める。指針作成は大阪府など一部に限られており、県は障害者から差別体験集めに着手。来年初めの公表を目指す。

同法は2013年に成立。民間事業者や行政機関に不当な差別の禁止、障害のある人へ合理的配慮をするよう定めている。ただ、どんな行為が差別にあたるか定義するのが課題となっている。

県障害福祉課によると、同法制定後、障害者への差別行為の相談は増加傾向にある。「病院で『障害がある子は診療できない』と追い返された」という悪質な 事例もあった。ある航空会社のケースでは、電話で問い合わせた際、手に障害があると説明したのに、詳しい要件を(キーボードで手打ちが必要な)電子メールで送るよう求められ、電話を切られた、という。

指針には、差別にあたる行為のほか、飲食店でコップの置き場所を工夫するなど配慮事例も盛り込まれる見通し。同課は障害者や企業に差別のとらえ方などの調査を進めており、「できるだけ多くの具体例を提示することで、差別解消につなげたい」と指針作成の理由を説明する。

◇差別体験を募集

県は指針作成に向け、(1)障害を理由とした差別と思われる体験事例(2)障害のある人への配慮の体験事例−−を募集している。実体験だけでなく、その場に居合わせたケースも受け付ける。

いずれも県内在住者や通勤・通学者らが対象。応募様式は県ホームページ(http://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/case_application01.html)から。郵送(〒650−8567 神戸市中央区下山手通5−10−1)、ファクス(078・362・3911)などで。6月30日まで。問い合わせは同課障害者権利擁護担当078・341・7711。【井上元宏】

 

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■ことば

◇障害者差別解消法

 

国が昨年批准した国連障害者権利条約を実現していくため制定された。公共機関や民間企業に対し、障害を理由とした不当な差別的取り扱いを禁じた。施設のバリアフリー化などの合理的配慮を、過度な負担にならない限り、行政機関には義務化、民間事業者は努力義務を定めている。国は事業者に報告を求めたり、助言や指導、勧告をしたりできる。報告しなかったり、虚偽報告をしたりした場合は、20万円以下の過料が科される。〔神戸版〕

「社会の壁」こそ議論を

(2015年5月27日) 【北陸中日新聞】【朝刊】

障害者→「障がい者」に置き換え反対 千葉市長のつぶやき

http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20150527141454703

画像「障がい福祉課」と課名の「害」の字を平仮名にした佐賀市役所の窓口=2010年4月

熊谷俊人・千葉市長のネット上のつぶやきをきっかけに、「障害者」の表記のあり方が再び議論を呼んでいる。イメージが悪いとして「害」 を平仮名にするか、「碍(がい)」を当てるか。5年前、有識者チームが表記を検討したが、政府は従前のまま「障害」を使う。自治体では「障がい」の使用も 増えてきているが−。 (沢田千秋)

熊谷市長は20日、短文投稿サイト「ツイッター」で、障害者を「社会との関わりの中で障害に直面している者」と定義し、「『障がい』と 置き換えることには反対。『障害』という言葉が引っかかるからこそ、それを社会的に解消しなければならないわけで、表現をソフトにすることは決してバリア フリー社会の実現に資するものではありません」とつぶやいた。

ネット上で賛否が分かれ、一部のメディアが取り上げると、熊谷市長は25日、「表記を変えるべきとよく言われて、それに対応する時間を本来の障害者行政に割きたいので、表現を変えても意味が無いと申し上げた」と追記した。

5年前、表記についての議論があった。政権交代をした民主党の鳩山政権は2009年、従来の「障害者施策推進本部」を廃止し、「障がい者制度改革推進本部」を設置した。翌10年、有識者からなる「『障害』の表記に関する作業チーム」が検討した。

検討結果によると、「障害」は江戸時代末期から、「障碍」は平安時代末期から使われていた。「障碍」は元は仏教用語で「悪魔、怨霊などが邪魔すること。さわり。障害」を意味し、「しょうげ」と読んだのを、明治以降は「しょうがい」とも読むようになった。

だが、戦前は障害者に対しては主に差別的な表現が使われ、「障害」や「障碍」はほとんど用いられなかったという。戦後、政府が「碍」を常用漢字にせず、「障害」の使用が一般的になった。本紙も基本的には「障害」を使う。

検討過程で、ある障害者団体は「『害』は当事者の存在を害であるとする社会の価値観を助長した」と、「碍」への変更を求めた。一方、別の団体は「障碍の語源は『害』と同様またはそれ以上の問題の指摘を受ける」と主張した。

「がい」を用いることについては、「平仮名に置き換えてしまうと、『社会がカベを作っている』という意味合いが出ない」との意見も出た。最終的に、「現時点で新たに特定のものに決定することは困難」と総括された。

都道府県では、12道府県が担当課の表記に「障がい」を使う。鳥取県障がい福祉課は「『害』に抵抗感を感じるという意見が寄せられ た」。大分県はパンフレットなどは「障がい」を使うが、組織名は障害福祉課。担当者は「法律や条例と同様、固有名詞として除外した」と説明する。

「障害」を使う神奈川県障害福祉課は「県内の関連団体とも話し合った結果、法律名も変わらないので、変更は必要ないと判断した。文字の変更ではなく、とっぱらうべきは社会的障壁」と答えた。

日本福祉大の大泉溥(ひろし)名誉教授(障害者福祉論)は「障害者という言葉は戦後、一般の学校や社会で受け止めかねる人たちを別グ ループとしてくくるために行政の都合で作られた。障害という定義に科学的な概念はない」と指摘する。「定義がないのに、『障害者の人権に配慮』と言って議 論しても仕方がない。当事者や家族が困っているのは、社会に受け入れてもらえない実際の心身の障害そのものです」

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