教育

【教育】 ~共に生きる教育の実現を目指して~就学支援の取り組み

【教育】 ~共に生きる教育の実現を目指して~就学支援の取り組み

障問連事務局

■神戸市立長峰中学校で通常学級への転籍が実現

昨年度の神戸市オールラウンド交渉でも保護者が参加され、同中学校の特別支援学級担任の不適切な言動を訴えられ、ダウン症の本人も支援学級で学ぶことを拒否し、1年生2学期から通常学級で学び続けているRちゃんの転籍が、2月13日障問連も立ち会った学校との話し合いで確認されました。

小学校時代から色んな学校とのトラブルもありましたが、中学になっての対応のひどさにお母さんは「親のネットワーク」例会でも何度も涙されていました。これからも教科ごとの担任がとのようにRちゃんと付き合ってくれるのか、他の生徒たちとの関係など、お母さんの心配は尽きませんが、今後とも支援していきたいと思います。

 

■明石市では・・・

「親のネットワーク・ひょうご」の1月例会では・・・「明石市から小3のお母さんが初参加してくれました。支援学級在籍で、担任と二人の介助員がいるにも関わらず、3年生の12月までずっとお母さんが給食介助に(朝夕の送迎も保護者)通っていたとのこと。担任たちはそれを黙って見ていたようです。何度も要求してやっとこの1月から親の介助なしで給食が食べられるようになりましたが、それも交流学級で食べるのは週1回だけ。交流の時間も少なく、クラス担任も積極的ではなさそうです。・・・(中略)・・・4年生の宿泊学習はどうなるのか、新学年では交流クラスが4階になるがエレベーター設置は2年先。市教委も交えていろいろな親が要求していく中で、やっと学校側の問題として考え始めたようだが、親が油断したらダメになってしまう、粘り強く要求していくと、現在の心境を語ってくれました」(以上:『えんぴつの家だより』より一部転載)

 

■宝塚市で人工呼吸器を使用する児童の地域の小学校入学を求めた取り組み

前号の「宝塚フォーラム報告」にもあるよう、宝塚で医療的ケアが必要な児童の今春、小学校の就学に関して、障問連や宝塚キントーン作業所の大谷さん、「バクバクの会」平本さんらにより、この間、中川市長との面会、宝塚市教委との話し合いが行われてきました。

具体的な内容は、以下の要望書を参照して頂きたいと思いますが、名古屋市では市長の決断もあり、市として医療的ケアを必要とする児童へ看護師を配置しての医療的支援が3年前から実施されています。また、大阪府では府と市町が看護師雇用のお金を半額ずつ負担する「市町村医療的ケア体制整備推進事業」が制度化され、現在100名を越える医療的ケアを必要とする児童が地元の小中学校に入学しています。全国的には同様の取り組みは少なく7都県に29人(2010年4/3読売新聞)しかいなく地域格差は大きいですが、兵庫県でも淡路市では2名の看護所を雇用して実施されるなど、県下でもそのような市町が増えてきています。

また、医療的ケアが必要な児童だけでなく、身体障害、知的障害の児童が地域の学校での就学に当たっては多くの問題があり、障問連にも次々と相談が寄せられています。「共生社会」のためには、まず学校が変わらなければならないと思います。是非、Mさんの入学を実現し、県下でも広がるよう、今後とも取り組んでいきたいと思います。

 

 

宝塚市長 中川智子 様                             2015年2月9日

宝塚市教育長 井上輝俊 様

障害者問題を考える兵庫県連絡会議

代表 福永年久

要望書

 

日々、宝塚市におかれましては共生社会の構築に向け、障害者福祉ならびに障害がある児童と障害のない児童の共生教育に向け、日々ご尽力されていることと存じます。

国連/障害者権利条約に日本政府は批准しました。その批准に向け、障害者関係法制度の制度改革が2010年から行われ、障害者基本法において「可能な限り共に生きる教育の実現」が明記され、学校教育法施行令の一部が改正され、さらに2016年度から施行される障害者差別解消法では公立学校も含む行政機関は合理的配慮の提供が義務付けられます。このように、今後ますます共生社会の実現に向けた施策が求められます。宝塚市においても、さる1月18日、宝塚市ならびに宝塚市教育委員会の後援により「宝塚障害者フォーラム2015~宝塚市の障害者権利条約制定に向けて~合理的配慮を考える」と題するフォーラムが障害者団体等により開催され、今後の宝塚市での取組が期待されるところです。

この春、Mさんならびにご両親はT小学校への入学を希望されています。Mさんは脊髄性筋委縮症の障害を持たれ全面的な介助、医療的な支援が必要です。「一緒に友達と学校へ行きたい」とご両親と共に強く願われています。Mさんが安心して小学校に就学できるためには、必要な介助支援や看護師の配置が必要です。この間、宝塚市教育委員会担当者の方との話し合いもさせていただき、前向きにご検討されている事は理解していますが、もう一歩、踏み込んだ宝塚市独自の施策として取り組んでいただくよう強く要望します。全国各地でも大阪府、名古屋市では自治体として医療的な支援が必要な児童に対して看護師、介助員を配置して地域の学校への就学を推進しています。また兵庫県内でも淡路市をはじめ複数の市町が看護師を雇用して地域の学校での就学を保障しています。宝塚市におかれましても、是非実現して下さるよう、具体的に以下要望いたします。

 

一、        Mさんが、T小学校の通常学級に就学できるよう、保護者に負担をかけることのないよう、必要な介助員、看護士による全面的な支援を宝塚市教育委員会の責任により行って下さい。

二、        現時点で宝塚市教育委員会として「人員確保のためには特別支援学級が望ましい」と言われています。今年4月の入学まで猶予がありません。介助員、看護師による全面的な支援体制が間に合わない場合も想定されます。その場合、経過措置として「普通学級での就学に当たり必要な介助員や看護士配置が実現するまでの期間に限り」「全時間、普通学級で過ごす事を条件として特別支援学級に就学する」事を、Mさんの保護者と宝塚市教育委員会との間で文章で取り交わして下さい。

三、        このような問題は決してある個人だけの問題ではありません。今後、医療的ケアが必要な児童に対して、地域の学校で積極的に受け入れられるよう、宝塚市独自の施策を講じて下さい。

四、        今後、障害者差別解消法により公立学校でも合理的配慮の提供が義務付けられます。地域の学校への就学を希望する全ての障害児童に対して、個々に必要な支援が受けられるように体制を整備して下さい。

以上について、話し合いの場をもって2月内に回答いただくようお願い致します。

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