新聞記事から

【報道】 新聞記事より

【報道】 新聞記事より

■知的障害の長女殺害、介護の母に無罪…大阪地裁

読売オンライン 2014年09月03日 19時42分

http://www.yomiuri.co.jp/national/20140903-OYT1T50130.html

 

難病で知的障害の長女(当時29歳)を殺害したとして殺人罪に問われた母親(58)(大阪府吹田市)の裁判員裁判判決が3日、大阪地裁であり、田口直樹裁判長は無罪(求刑・懲役4年)を言い渡した。

田口裁判長は「介護の負担から重いうつ病となり、犯行時は心神喪失状態で刑事責任能力はなかった」と述べた。

母親は昨年10月、自宅の浴槽に長女を沈めて殺害後、池で入水自殺を図ったところを発見され、逮捕、起訴された。精神鑑定でうつ病だったと診断され、責任能力の有無などが争点となっていた。

田口裁判長は判決で、母親にとって介護の負担は大きかったが、夫が休職して介護に協力するなど無理心中するほどの絶望的な状況にはなかったとし、「動機の説明は難しく、うつ病の影響で突発的に犯行に及んだ」と判断した。

 

 

■聴覚障害者への避難FAX、広島市が5時間遅れ

読売オンライン 2014年09月06日 14時13分

http://www.yomiuri.co.jp/national/20140906-OYT1T50068.html

 

広島市は、避難勧告の発令時に、登録した聴覚障害者宅に速やかにファクスで知らせることになっているのに、今回の土砂災害で、実際に送信されたのは発令の約5時間後だったことがわかった。

安佐南、安佐北両区の担当職員が自宅で寝ていて対応できなかった。対象となる計8人にけがはなかったが、市は対応の遅れを認め、市内の聴覚障害者団体に謝罪した。

市によると、担当職員は両区に1人ずつおり、災害対策本部が設置されると出勤し、聴覚障害者に避難指示・勧告などをファクスで知らせることになっている。同本部設置については、8月20日午前3時30分頃に電話連絡が入っていたが、2人は寝ていて気づかなかった。

避難勧告は、安佐北区で同4時15分、安佐南区では同4時30分に出されたが、2人は同6~7時に登庁。その後も災害対応に追われ、同9時過ぎまで送信を忘れていたという。

 

 

■盲導犬、女子生徒けがは氷山の一角 「暴力」におびえる視覚障害者

東京新聞朝刊 2014年9月12日

 

盲導犬が何者かに刺されたり、通学途中の女子生徒が脚を蹴られてけがをしたりと、視覚障害者への心ない仕打ちが相次いでいる。ところが、当事者団体などに聞くと、これらの事例は氷山の一角だという。健常者の暴力的な振る舞いは増えている。それにおびえながら歩く障害者たちの苦悩は深い。(三沢典丈)

 

都内の全盲女性(四一)は最近、痴漢まがいの被害に遭った。夕方、勤め先の職場を出て白杖を頼りに歩いていると、男とぶつかった。男は「自分も目が悪い」と言い、近くの地下鉄の駅まで案内を求めてきた。

女性は親切に応じだが、「その人は『つかまってもいいですか』と腕を組んできた」。当惑しつつ歩き始めると、通り掛かった健常者の同僚が「どうしたの」と声を掛けてきた。途端に男は走り去った。視覚障害者というのはウソだった。「あのままだったら、何をされていたか…」と、いまも不安がよみがえる。

同じく都内の鍼灸マッサージ師、小日向光夫さん(六二)ば白杖を手に職場近くを歩いていた際、自転車に激突された。思わず「痛い」と叫んだ。とっさにハンドルをつかむと、運転していた女性は「会社に遅れるから」と振り切ろうとしだ。通行人に警察官を呼

 

んでもらい、人身事故として処理してもらった。女性は「スマホを見ていて気づかなかった」と釈明した。小日向さんは「杖を折られ、立ち去られたこともあった」とため息をつく。最近、こうした出来事をよく耳にするという。「世の中が殺伐としてきている。ストレスをため込んだ末、弱い者相手に鬱憤晴らしをしているのではないか」

社会福祉法人・日本盲人会連合(東京)の鈴木孝幸副会長は「刑事事件になることは少ないものの、以前から点字ブロック上を歩いていて、健常者とぶつかったら、こちらが怒鳴られたり、白杖を折られても知らんぶりで立ち去られることは日常茶飯事」と嘆く。

視覚障害者の場合、被害を警察に届けようと思っても、加害者の顔や年齢などの特徴を説明できない場合が多い。相手が逃げてしまうと、通報をあきらめるケースがほとんどという。

「それでも、以前は視覚障害者が危害を加えられることはほぼなかった。しかし、四月にも兵庫県で白杖が当たった男性から全盲の女性が暴行を受けた。暴力事件の多発は不気味だ」

視覚障害者へのひどい仕打ちについては明確な統計がない。だが、DPI女性障害者ネットワークは二〇一一年、肢体不自由、聴覚障害なども含めた女性障害者八十七人に聞き取り調査をし、結果を「障害のある女性の生活の困難」という報告書にまとめている。

それによると、女性障害者が受けた被害で最も多いのが、性的被害で計四十五件あった。このうち二十七件は視覚障害者が受けており、「中学で男子生徒に何度も胸を触られた」「通りがかりの男二人に車に押し込まれそうになった」といった内容だった。

ネットワークの上部団体に当たるDPI日本会議(事務局・東京)の鷺原由佳さんは「女性の障害者の場合は女性であることと、障害者であることが掛け合わされた複合的な差別にさらされていることが分かる。健常者の人びとは、こうした実態をより広く理解してほしい」と訴える。

同会議で事務局員を務める全盲の上薗和隆さんは、これまでに健常者との衝突で白杖を十本折られた。弁償してくれたのは、外国人一人のみだったという。

「東日本大震災の直後、絆ブームだったが、自分の体験からは言葉だけでしかないように感じている」

 

 

■障害年金是正へ実態調査 判定の地域差で機構

47News 2014年9月13日 18:45 【共同通信】

http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014091301001527.html

 

障害基礎年金を申請して不支給と判定される人の割合に、都道府県間で最大約6倍の差がある問題で、日本年金機構は13日までに実態調査を始めた。

都道府県ごとに置いている事務センターに対し、判定に関する資料やデータを9月下旬までに送るよう求めており、 内容を機構本部で分析。全国平均に比べ不支給割合が大きく異なる事務センターについては、審査に当たっている医師(認定医)や担当者に聞き取り調査もする。11月にも最終結果をまとめ、判定のばらつきを是正する方針だ。

調査は2010年度と12年度の障害基礎年金の請求のうち、各約5千件を対象に診断書などの内容を集約する。

 

 

■身障者の公務員試験、全盲者受験できず 九州4県市

西日本新聞経済電子版 2014年09月19日 03時00分

http://qbiz.jp/article/46192/1/

記者:高野靖之、四宮淳平

 

身体障害者を対象とした公務員採用試験で、全盲の人の受験をめぐり、九州の自治体の対応が割れている。西日本新聞が7県と県庁所在地、政令指定都市を取材したところ、佐賀県と佐賀市、熊本市、宮崎市が受験資格に条件を付け、全盲の人の受験を事実上認めていないことが判明した。自治体側は職務遂行に支障をきたす可能性などを理由に挙げるが、障害者団体からは反発の声も聞かれる。

各県と各市は雇用促進などを目的に、身障者対象の試験を実施。受験資格に(1)身体障害者手帳の交付(2)自力通勤や介護者なしで職務遂行が可能-などを盛り込み、佐賀県や熊本市など1県3市はこれらに加えて「活字印刷文による出題」に対応できることを条件としている。点字試験は実施しておらず、全盲の人は対象から外した形だ。

熊本市人事委員会は「業務は文書でのやり取りが中心で、全盲の人が職場での仕事を円滑にできるかの問題がある」と説明。宮崎市人事課は「これまで受験希望者がいなかった。今後は受験資格を検討していかないといけない」とする。

これに対し、厚生労働省障害者雇用対策課は「音声読み上げソフトなども普及しており、公的機関は率先して障害者雇用に取り組む立場にある。能力で判断するのが望ましい」とする。2002年度から点字試験を導入した福岡県人事委員会も「全盲の人が対応可能な業務は増えている」としている。

佐賀県視覚障害者団体連合会(佐賀市)は「受験者がいるいないにかかわらず門戸は開いておくべきだ。目が見えないから仕事ができないと決めつけるのはおかしい」と話している。

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