事務局より

編集後記

坂上香監督の「プリズン・サークル」という映画が話題になっています。『世界』3月号では、「アミティ」という、犯罪者や依存症患者の社会復帰を支援するNPOの共同代表へのインタビューが掲載されており、回復共同体(TC)という心理療法的手法に基づくプログラムで知られています。東京新聞2月29日「視点」では、「TCとは、受刑者を主体とする語り合いのプログラム」とあります。「プリズン・サークル」は、TCプログラムを受ける受刑者を追ったドキュメンタリーです。「アミティ」のロッド・ムレン氏は、「懲罰は、加害者の行動を一瞬止めることしかできません。加害者は捕まらないように賢くなることを学ぶだけです。そう考えれば彼らにいくら関心がない人だって、私たち自身のために、みな受刑者の更生を願うはずです.そのために、刑務所を「より良い人間」になるために学ぶ場所に変える必要があります。これがTCの役割です」と言います(『世界』3月号、p.138)。また、インタビュアーの小松原織香さんは、「豊かな感情を取り戻し、人間性を回復するなかで、初めて罪の意識が芽生え、心から過ちを悔い、被害者へ謝罪したい、と考えるようになる」と言います(同 p.134)。懲罰による「応報的司法」ではなく、被害者と加害者との対話による紛争解決、和解を目指す「修復的司法」の模索であると言えます。犯罪とは何か、加害者支援、罪、償い、そして赦しについて考えさせられました。神戸では元町映画館で、3月7日~20日上映だそうです。(NZ)

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