新聞記事から

【報道】 新聞記事より

■三田の監禁 第三者委、31日初会合 市の対応検証 学者、弁護士ら7人 /兵庫

毎日新聞2018年5月18日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20180518/ddl/k28/040/366000c

 

障害のある長男(42)を自宅の檻(おり)に閉じ込めたとして父親(73)が監禁罪で起訴された事件を巡り、三田市は市の対応を検証する第三者委員会を設立した。市は17日、初会合を31日に開くと発表した。【粟飯原浩】

委員は、関西福祉大社会福祉学部の谷口泰司教授(障害者福祉)をはじめ、弁護士や医療、福祉機関などの関係者ら7人。

事件を巡る市の対応では▽虐待の疑いがあると通報を受けながら、自宅訪問が2日後になった▽監禁状態の確認後も福祉施設に入所させるまでの4日間、長男を檻から解放しなかった▽警察への通報が約1カ月後となった▽20年以上にわたり福祉の手が届かなかった--ことなどが問題視されている。

第三者委は月1回会合を開催。これらについて5回程度で検証し、今後同様なケースを防ぐための態勢づくりを含めて9月末をめどに意見書を提出する。

事件では、20年以上前に家族が市に相談していたほか、2013年にも親族の女性が市障害者生活支援センターを訪れたが、福祉サービスにつながらなかったことが明らかになっている。

森哲男市長は「客観的な検証をしてもらうため、市外から委員を選出した。検証で得られる教訓を生かし、再発防止で地域や市民の協力が得られる仕組みを考えたい」と話した。

谷口教授以外の委員は次の通り(敬称略)。

三好登志行(日本弁護士連合会高齢者・障害者権利支援センター委員)▽田中究(県立ひょうごこころの医療センター院長)▽蓬莱和裕(県知的障害者施設協会長)▽田島啓子(県社会福祉士会高齢者障害者虐待対応委員会副委員長)▽玉木幸則(西宮市社会福祉協議会相談総務係長)▽崎浜昭彦(県障害福祉課長)


 

■「インクルーシブ教育」のいま 健常者と学ぶ知的障害者

朝日新聞デジタル 2018年5月21日14時00分

https://www.asahi.com/articles/ASL5P44JVL5PUBQU003.html

 

知的障害者が健常者とともに通常学級で学校生活を過ごし、共生社会の実現につなげていこうという「インクルーシブ教育」。神奈川県教育委員会が、全国でも珍しい高校段階での実践を始めて1年が経った。当初は懸念が寄せられたものの、生徒間の交流も増えているという。実践校を訪ねた。

「難しいなあ」。5月上旬、県立足柄高校(南足柄市)の2年生が学ぶ「ベーシック数学」の授業では、「通分」の問題に頭をかきながらも、懸命に取り組む生徒5人の姿があった。知的障害者が申請して取得できる「療育手帳」の所有者や、手帳はないが出身中学校で「手帳相当」とされた生徒たちだ。

この授業の場所は、通常学級とは別の、教員による個別対応が可能な部屋だ。5人はふだん通常学級で授業を受けているが、内容に応じてこの部屋で学ぶ。生徒5人に計3人の教員がつき、一つひとつの設問を丁寧に解説する。「そうか、そうやって解けばいいのか!」との声が上がると、教員の表情が和らいだ。(以下略)

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