新聞記事から

【報道】 新聞記事より

■視覚障害者の転落事故防げ 兵庫県内主要駅、ホームドア・柵設置へ加速 補助金を活用

産経West 2018.4.10 07:01更新

https://www.sankei.com/region/news/180410/rgn1804100024-n1.html

 

県内の鉄道主要駅で転落事故を防ぐホームドアや柵の設置に向けた動きが、国や県、市からの補助金を活用して加速している。視覚障害者の転落事故が相次いだことを受け、国は平成32年度までに利用者数10万人超の駅での設置を目指しており、県内でも今年度から本格的な着工、設計のスタートが続いている。

今年度から補助金を使った工事、設計が進められているのはJR三ノ宮(神戸市中央区)、明石、西明石(いずれも明石市)と阪急電鉄神戸三宮(神戸市中央区)の4駅。

県などによると、JR三ノ宮駅では昇降式のロープを使ったホーム柵を設置する。今年度末までに完成する予定。明石駅は今年度中に着工、西明石と阪急神戸三宮駅は設計に取りかかる。いずれも国や県、各市から補助を受けている。

ホームドア、柵の設置が進められているのは、28年に東京や大阪などで視覚障害者が線路に転落する事故が相次いだためだ。

国土交通省は1日あたりの平均利用者数10万人以上を目安とし、ホームの幅が狭かったり、カーブしていたりして工事が難しい場合を除いて、32年度までに全国800駅での設置を目標に定めた。29年3月時点で686駅で設置されている。

県内でも山陽新幹線新神戸駅やJR六甲道駅ですでに設置。神戸市営地下鉄も西神・山手線三宮駅で今年3月からスライド式のホームドアが稼働しており、35年度までに同線全駅での設置を目指している。

このほか県内では、JR神戸、姫路の両駅と阪神電鉄神戸三宮駅も10万人以上の利用者がいるが、現時点では設置の具体的な予定はない。県は「鉄道各社から要望があれば、設置費用の補助を検討したい」としている。

 

 

■災害時の障害者支援 共生社会へ経験生かそう

熊本日日新聞 2018年4月24日 09:17

https://kumanichi.com/column/syasetsu/446951/

 

災害時の支援は、それを最も必要とする人をまず優先するべきだろう。だが、必ずしもそうではなかったことが熊本地震で明らかになった。本紙連載「あの時何が 被災地障害者センター編」は、被災した障害者に「格差」が生じ、支援の網の目からこぼれ落ちていた実態を伝えている。その背景には障害に対する無知や無理解、誤解があり、それが偏見や差別、無関心につながったようだ。

熊本地震では、避難所の通路の段差や多目的トイレなどの未整備が、障害者やお年寄りらの障壁となった事例が数多く見られた。さらに、被災者への画一的な平等主義も障害者にとって高いハードルとなったとの指摘がある。

精神障害や発達障害がある人は、騒々しい環境や集団行動になじめず、苦痛を感じることがある。このため避難所で食料や支援物資を受け取る行列に並べず、代わりに並んだ家族が「並んだ人の分しか渡せない」と言われたケースも少なくなかったという。

地震避難という過酷な状況の中で、われ先にと必要以上の物資を受け取ろうとする事例もあり、避難所を公平に運営する上でルール徹底を求めざるを得なかった側面もあるだろう。しかし、障害者に対する無理解や理解不足から、適切な支援が及ばない状況を生んでしまった面も否めない。

そうした状況に直面するのを恐れて、自家用車や損壊した自宅にとどまった障害者やその家族も多かった。県内避難者はピーク時18万3882人とされているが、これは指定避難所での集計にすぎない。行政は、車中泊を余儀なくされた障害者など社会的弱者にしっかり目を向け、多様な避難動向の把握と救援の方策を真剣に検討すべきだろう。

障害者の暮らしにくさを解消する支援を実現するには、「合理的配慮」が必要とされる。例えば避難所での情報提供時、アナウンスだけでなく掲示や筆談、手話通訳などを用いることは聴覚障害者への合理的配慮につながる。

障害者差別解消法は、費用や人手がかかり過ぎない範囲で設備やサービス提供の方法などを整える合理的配慮を、国や自治体に義務付け、民間事業者にも努力義務として求めている。県も「障害のある人もない人も共に生きる熊本づくり条例」を施行しているが、熊本地震で合理的配慮が反映されたとは言い難い。応急仮設住宅の整備についても、室内の段差や入り口の狭さなど、車椅子利用者への配慮を欠くと批判されたことを重く受け止めるべきだろう。

障害者イコール福祉避難所という思い込みも、障害者を身近な避難所から排除しかねない。収容人数が限られる福祉避難所が本来受け入れるべき重度障害者を支援するには、一般の避難所が障害の有無にかかわらず広く地域住民を受け入れるのが望ましい。合理的配慮の発想が多くの被災者を支援する土台となるはずだ。熊本地震の経験を、障害の有無を問わない共生社会の実現に生かしたい。

 

 

■発達障害生徒に「合った学校考えたら」 発言教諭を告訴

朝日新聞デジタル 2018年4月27日10時36分

https://www.asahi.com/articles/ASL4V5K0ZL4VTIPE02P.html

 

長崎市の純心女子高校に3月まで通っていた発達障害のある女子生徒(16)に、当時の担任の女性教諭(56)が「あなたに合った学校を考えたらどうか」などと不適切な発言をしていたことがわかった。生徒は4月に転校し、保護者は26日、暴行や名誉毀損(きそん)、侮辱の容疑で教諭に対する告訴状を浦上署に提出した。

告訴状によると、生徒は教諭から昨年9月以降「障害者が来る学校ではない」「ほかの学校に行った方がいい」などと侮辱され、それが原因で適応障害と診断された、と訴えている。

学校によると、教諭は学校側の聞き取りに対し、生徒と学校生活についてやりとりする中で「周囲のサポートを遮断するから学校生活も障害も改善されない」「あなたに合った学校を考えたらどうか」などと発言したことを認めた。一方で障害を差別するような言動は否定しているという。

教諭は「生徒への共感や思いやり、配慮が足りなかった。申し訳なく思っている」と話しているという。学校側は「不適切な発言のため、心情を害する状況になり申し訳ない。今後、当時教諭のクラスにいた生徒や保護者へのアンケートなどを行い、対応していきたい」と話した。

生徒の父親(46)は取材に「学校とは食い違いが多々ある。次の被害が出ないよう、学校にも変わってもらいたいと思い告訴した」と話した。保護者は25日、長崎地方法務局に人権救済の申し立てをしている。

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