【報道】 新聞記事より
https://www.kobe-np.co.jp/news/bousai/201711/0010749911.shtml
講演する同志社大学の立木茂雄教授=神戸市中央区中山手通4
災害時の障害者への支援を考える「災害時要援護者サポートミーティング」がこのほど、神戸市中央区のラッセホールで開かれた。福祉や介護施設の関係者、自治会役員ら約150人が、災害時に支援が必要な障害者と、地域や行政をつなげる方法について考えた。
兵庫県が主催し4回目。県は9月に「兵庫県災害時要援護者支援指針」を改定したが、地域の自主防災会や福祉関係者、行政などの連携をどうするかは課題で「福祉と防災の連携推進」をテーマにした。
同志社大学の立木茂雄教授が講演。東日本大震災では身体障害者の施設入所率が低い宮城県で、多くの障害者が亡くなった事例を挙げ、「宮城県は福祉政策では進んでいたが、平時と災害時の対応策が縦割りだった」と分析した。
また、災害時のケア計画をケアマネジャーらが立てることや、当事者自身が主体的に判断できるようにすることが重要とし、地域も合理的な配慮をして支援することが大切と説明した。
障害者や行政担当者らとの討議もあり、立木教授が「当事者と地域を媒介する仕組みが必要では」と投げかけると、県看護協会の中野則子会長は「専門職もいかにつながるか、地域の中で役割を考えたい」と話した。
住宅管理組合の一員として来ていた男性(73)=神戸市中央区=は「避難訓練などをするが、障害者についてはこれまで具体的な計画に入ってなかった。あらためて考えるきっかけになった」と話した。(篠原拓真)
■ホームドア 882駅に設置へ 転落事故受け2020年度までに
NHK News Web 11月23日 9時44分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171123/k10011233071000.html
駅のホームからの転落事故が相次ぐ中、ホームドアの設置が全国の駅のおよそ7%にとどまっていることから、国と鉄道各社は、2020年度までに、当初の目標より100駅近く多い882の駅でホームドアを設置することになりました。
国土交通省によりますと、ホームドアが設置されている駅は、ことし3月の時点で全国でおよそ7%の686駅にとどまっています。
国土交通省と鉄道各社は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年度までに利用者の多い都市部の駅を中心に設置を進め、800駅程度に増やす計画でした。
しかし、去年8月、東京メトロ銀座線の駅のホームから視覚障害のある男性が転落して死亡するなど、ホームからの転落事故が相次いでいることを受けて計画を前倒しし、当初の目標よりも100駅近く多い882の駅でホームドアの設置を進めることになりました。(略)
転落事故は昨年度2890件
国土交通省によりますと、昨年度、全国の駅でホームから転落した事故は2890件に上っていて、視覚障害者の転落は69件ありました。
昨年度までの7年間に視覚障害者がホームから転落した事故は合わせて540件に上っていて、列車と接触するなどの事故も13件起き、8人が死亡しています。
去年8月には、東京メトロ銀座線の駅で、盲導犬を連れた男性が線路に転落し、電車にはねられて死亡し、去年10月には、大阪・柏原市の近鉄大阪線の駅で、視覚障害のある男性が転落して特急電車にはねられて死亡しています。
また、ことしに入ってからも、1月に埼玉県のJR蕨駅で、盲導犬を連れた男性が線路に転落して死亡したほか、先月も大阪のJR阪和線の駅で、視覚障害のある男性がホームから転落したあと電車にはねられて死亡しています。
ホームドアの設置計画
国土交通省によりますと、全国でホームドアが設置されている駅は、ことし3月の時点でおよそ7%の686駅にとどまっています。
このうち、1日10万人以上が利用する比較的大きな駅は全国で260に上りますが、ホームドアが設置されているのは84駅と、全体の3分の1程度です。
利用者の多い駅にはドアの位置が異なるさまざまな列車が乗り入れたりしているため、これまでホームドアの設置が進んでいなかったということです。
鉄道各社は今後、ドアの位置が違う列車にも対応できるロープやバーが上下するタイプのものを導入するなどして、2020年度には10万人以上が利用する駅では現在の2倍近い148駅で設置する計画です。(以下略)
■障がい者の戦 継ぐ 上間祥之介さん 「当事者視点大切に」卒論で証言集め
琉球新報 2017年11月24日 05:00
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-618664.html
【南風原】沖縄国際大学総合文化学部社会文化学科4年で平和学を専攻する上間祥之介さん(22)=南風原町=が、障がい者の戦争に関する証言を集めている。「障がい者の戦争体験」をテーマに卒論に取り組んでおり、これまでに4人の証言を得た。「健常者に比べると障がい者の体験に関する記録はまだまだ少ない」と指摘する上間さん。「障がい者の体験も戦争体験としてしっかり語り継いでいくために、少しでも多くの証言を聞きたい」と体験者に呼び掛けている。
上間さんは脳性まひのため、子どもの頃から車いすを利用している。家族や友人、教師らに支えられながら北丘小学校、南風原中学校、南風原高校を卒業した。学校では毎年、沖縄戦の学習をした。「たくさんの戦争体験を聞いてきたが、障がい者の体験は聞いたことがなかった。当時も間違いなく障がい者はいた。自分のような人は当時どうしていたのか」。卒論のテーマ設定の動機となった。
今年3月に発刊された「沖縄県史各論編6 沖縄戦」では、過去にまとめられた障がい者の証言記録が紹介された一方、「全体像を理解するにはあまりにも残された証言が少ない」と指摘されている。
証言数の少なさについて上間さんは「戦争を進める上で邪魔者扱いされやすい障がい者は、老人や子どもと同じく社会的弱者で一番犠牲になりやすかったことと、差別されてきたこともあり、本人が語りやすい状況になかったことも影響している」と考える。
これまでに視覚障がいのある2人、聴覚障がいのある1人、足が不自由な1人の証言をまとめた。「障がい者の中でも、肢体不自由児の証言が少ない。もっと多くの人の証言をまとめたい」と感じている。
大切にするのは、当事者の視点だ。「障がいがあると、普段の生活でも難しいことが多くある。戦争中は周囲も生きることに一生懸命。その中で生き延びることができたのは、周囲の人の理解と協力があったからだと思う」
「このテーマを僕のライフワークにしたい」と語る上間さん。「多くの声を拾わなければ全体像は分からない。本人だけでなく親戚の証言なども貴重だ。ぜひ聞きたい」と呼び掛けた。情報提供は上間さん(電話)090(6858)5190。(半嶺わかな)
12月 2, 2017