事務局より

【巻頭】 相模原障害者施設殺傷事件に思うこと

野橋順子(障問連事務局次長)

7月26日の障害者施設における殺傷事件で、殺された19人の障害者のことを思うと本当に悲しくて腹立たしくて眠れない。

殺害理由にもむかつく。重度重複障害者は、自分の意思も言えなくて生きていても仕方がない存在、動物的存在と容疑者が手紙に書いていた。本当に障害者の人を差別的に見ていて許されない。容疑者は元施設職員。容疑者曰く、家族も疲れきっているし、利用者の目にも生気がない、生きていても仕方がないという文章も書いていたらしい。そうさせたのはこの社会。家族に介護だけを押し付け、介護ができなくなると施設に入れる。この社会が家族をしんどくさせて、障害者も施設に入れられて生き生きと生活できなくなり、この構造をこそ変えていかないといけないことだと思う。それなのに容疑者は、障害者を殺すことで、問題を解決しようとした。本当に恐ろしいことだ。私は障害者に産まれてきて良かったと思っているし、どの命も大切な命だと思う。

障害者を殺さないでほしい! ニュースを見ていて、昼間の番組の「グッデイ」のニュースキャスターの安藤優子さんだけが、容疑者の手紙を読んでこれは明らかに障害者に対する差別ですと言ってくれた。本当にそうだと思う。

「母よ殺すな」の時みたいに、介護に疲れているんだから仕方がなかったんじゃない。容疑者には軽い罪をなんてことにはならないでほしい。

施設職員はしんどいんだから仕方がないよねと言うふうに絶対にならないでほしい。障害者が殺されたことを、本当に重く受け止め、どの命も大切な命だと言うことをわかってほしい。殺されていい命なんて1つもないのだから。

このニュースを見て本当に重くてしんどいニュースで、気が滅入っています。皆さん一緒にこの社会を変えるために闘っていきましょう。

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