事務局より

編集後記

1月24日付の東京新聞、「「ベーシック・インカム」議論再燃」という記事がありました。オランダとフィンランドでのベーシック・インカム(以下BI)導入に向けて、欧米論壇は好意的、また記事中にはBI研究の経済学者や経済評論家も日本で導入すべきとの意見があります。気になるのは、「既存の失業保険や生活保護などを一本化」という記述で、従来の社会保障の財源をBIに統合し、社会保障を簡素化しようというのです。果たして、BIが謳う「政府が国民全員に一定額を毎月給付する仕組み」で、より手厚いニーズに応えることができるのか、私は疑問です。さらに、「生活保護を受給する後ろめたさはなくなる」ともありますが、生活保護制度を利用することに後ろめたさを与えているのはこの社会のはずです。そこを問わずにBIを称賛する声に対しては、私は個人的にはもう少し冷静に考えていただきたいと思っています。

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