精神障害者 知的障害 お知らせ

書籍紹介

『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』

(立岩真也、青土社、2015年11月、2800円+税)

 

まずは帯の「この「悪」が相も変わらず存在しつづているのはなぜか」に衝撃。研究者で「精神病院体制=悪」と断罪する人は滅多にいません。そう言い切るために、証言や歴史的資料を漁集し読み解いていきます。べてるの家もよいですが、このような闘争の歴史も知ってください。認知症患者の精神病院への取り込みや、病棟転換型居住系施設の問題にも言及しています。

 

『ズレてる支援!――知的障害/自閉の人たちの自立生活と重度訪問介護の対象拡大』

(寺本晃久・岡部耕典・末永弘・岩橋誠治、生活書院、2015年11月、2300円+税)

 

前作『良い支援?』に続く第2弾。知的障害者や自閉症者の支援の実際、その支援をどのように行うか、制度的には重度訪問介護の拡大による生活の変化を描いています。そもそも支援という行為が、最初からズレを含んだものであるというところ、そこをどううまく折り合うのかというところは、現場で支援する人たちには腑に落ちるものではないでしょうか。「当事者が必要としていることに対して支援はそもそもズレている」「制度や事業所と個人的な関係性は両立し得るのか?」など、興味深いところが盛りだくさんです。現場の方は「同じように悩んでいるのだな」と、きっと共感を持たれることでしょう。

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