国/県の制度

【制度政策】 国の制度動向

この間の国の制度政策の動き、今回は障害者政策委員会と社保審の障害者部会です。障害連のホームページ、JIL政策委員会ニュースなどを参考にさせていただきました。

■政策委員会の役割と権限―第24回障害者政策委員会―

8月10日(月)障害者政策委員会が行われた。

この日は、基本計画の内容を超える事柄が議論に多くあがった。審議官は、「基本計画の監視がどこまでおよぶのか、政策委員会の役割を改めて整理する必要があると思う。委員長とも相談したい」と述べた。

会議前半、障害女性に関し2名の当事者委員による意見聴取が行われた。大日方委員は、「障害者就労に関する性別統計がないことは、驚き」と述べた。「推測で考えるのではなく、ちゃんと統計をとることで見えてくるものがある」と、条約に対応する統計の重要性を訴えた。松森委員は、「聴覚障害の母親を理由に、子どもの習いごとへの参加を断られた等、母親として切ない思いを幾度もした」と自身の経験を述べた。そして出産を躊躇する人もいるなど、日本は未だ障害女性が安心し、生み、育てることができる環境が整っていないと訴えた。次回は8月31日。

■第68回社会保障審議会障害者部会(7月24日開催)

1.【介護保険に移行した場合に利用者負担が増える】利用者負担については、団体ヒアリングでも多くの団体が言及していましたが、厚労省も現在実態調査をしており、秋頃には結果を示すとしていました。

2.【介護保険優先原則】優先原則についてはヒアリングでも選択制を求める声は多くあがっており、委員からも選択制をという声がありましたが、その一方で、「(優先原則の)7条がなくなったら、高齢の障害サービス利用が増え制度がもたない」、 「介護保険は強制加入の社会保険で選択制は保険原理とそぐわないため、優先原則をせざるを得ない」、「国民の理解や共生の理念、障害福祉が取り残されないためにも介護保険優先があるべき」といった委員の意見があがっています。また、将来の介護保険と障害サービスの統合を見据えた見直しの議論をすべきという意見もあがっていました。これに対して、「両制度はできてきた背景や制度発足の理念が元々違う」という意見もだされ、議論が交わされた場面もありました。その他介護保険との関係では、介護保険利用者の国庫負担基準が極めて低いことにたいしての提起や、65才以上の人が障害サービスを利用した場合その費用を介護保険の財源から負担してはといった提案も出ています。

3.【65歳以上の障害サービスの新規利用】65歳以上の障害サービスの新規利用については「65歳以上になってから新規に手帳を取得してサービスを利用することについて、どういうひとを障害サービスの利用者と想定するか議論すべき」、「訓練等給付は65歳以上の新規利用はなくしてもいいのでは」、といった意見が出されていました。

これは65歳の高齢者が、介護保険だけでなく、手帳をとってさらに障害サービスを利用していく動きが広がっていることへの制度的な懸念です。

4.【高齢障害者の支援】障害サービスと介護保険サービスの橋渡しなど、高齢障害者の支援については相談支援専門員と介護保険ケアマネージャーの役割などについて意見が多く出ていました。「両制度にまたがった人材の育成と研修をすべき」、「加齢に伴う機能低下のアセスメントをできる相談支援専門員が必要である」などです。

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