【巻頭】 「財政制度審議会」で初めて障害福祉が取り上げられる
政府は、この6月末に財政健全化計画を作るという。その土台となる方針が「財政制度審議会」。4月27日の同審議会では介護保険・生活保護そして、同審議会で初めて「障害者福祉」が取り上げられた。今年度の報酬改定では介護保険が大幅に報酬が削減されたが、議論の途上では、障害者福祉も視野に入れるという財務省の姿勢はあった。しかし政権与党として、そこまですると世論の反発を招く恐れがあるとの厚労大臣の意向もあり、総枠は維持された。しかし、野党の弱体化や流動化、そして「成功」とされるアベノミクスによる、不動な安倍政権として財務省の意向も踏まえ、3年後には障害福祉も危うい事が予想される。
しかし、今回の介護保険削減の中味を見れば、例えばこれまで1割負担であった「生活援助、福祉用具貸与、住宅改修」が、一部補助するというものの、「原則、自己負担」になり、高齢世帯の貧困化の中、お金を持たない者にとってサービスが使えなくなるのである。いわゆる「老老介護の悲劇」が多く生みだされるのではないかと危惧する。さらに既に移行が進められている「軽度者向けサービス」を3年後には更に大幅に「市町村の地域生活支援事業」に移行させると言う。この方向性は今号ニュースでの報告にあるよう、障害福祉にも導入されようとしている。その事による地域間格差が現出する。
2009年からの障害者制度改革、国連/障害者権利条約への批准、その末にこのような状況が待ち受けている。厳しいからこそ、地域での具体的な取り組み、その中で、互いにつながり合う事が求められ、そのためにも「事業所交流会」の意義は重要であると思います。
6月は「代表者会議」です。是非、ご参加ください。
6月 1, 2015