【新聞記事より】 兵庫の障害者運動牽引 故澤田さん「自立40周年」 「地域で生活」遺志継ぐ
神戸でパーティー 「社会巻き込む強さ学んだ」 支援者や障害のある仲間106人集う
神戸新聞2014年11月3日
兵庫県の障害者運動を牽引した故澤田隆司さんの「自立生活40周年パーティー」が2日、神戸市中央区のホテルであり、支援者や障害のある仲間ら106人が駆け付けた。重度の脳性まひで言語障害があり、発するのは「ホー」だけだったが、文字盤を使った言葉の力と存在感で、重度障害者が地域で暮らす「自立生活」の道を開いた。「澤田さんの闘志を引き継ごう」と参加者は誓い合った。
澤田さんは姫路市出身。7歳で日本脳炎にかかり、重い障害が残った。バリアフリーが進んでいなかった時代に障害者が社会への抗議運動を繰り広げた「青い芝の会」の兵庫支部会長になるなど、昨年10月27日に67歳で急逝するまで障害者運動の中心にいた。
昨秋、澤田さんと仲間が集まり、40周年の実行委員会を結成。「澤田さんが死んでもやるで」「ホー」。笑い話のように交わした約束が開催を後押しした。実行委員長を務めた障害者事業所「えんぴつの家」(神戸市中央区)事務局長の山田剛司さん(47)は、神戸大生時代に澤田さんを介助していた。「障害者と健常者の枠を超え、人と人をつなぎ、生きることの意味を問いかけてくれる人だった」。
パーティーでは、スライドで自立生活40年を振り返り、澤田さんが好きだった曲をもと介助者らが演奏してみんなで声を合わせた。
16歳の時に澤田さんに出会い、一人暮らしを始めた脳性まひ者の野橋順子さん(39)は「ありがとうと言うだけで30分もかかるのに、なぜ周囲に大勢の人がいるのか不思議だった。障害を恥じず、社会を巻き込んで生きる強さを学んだ」と話した。
澤田隆司自立生活40周年記念『ナルヨ ニ ナル』刊行
目次 はじめに/第一章 澤田隆司の一生(ラストデイ/年表/実録!澤田闘争史)/第二章 澤田隆司を語ろう(座談会「澤田隆司がわたしたちに残してくれたもの」/寄稿文紹介)/第三章 澤田隆司にまつわるエトセトラ(アンケートより/澤田語録/澤田事典/さわだMAP)/編集後記
定価 1000円
問い合わせ先 えんぴつの家 担当:山田、渡部
(本部)Tel(078)252-0109/Fax(078)231-5281
(デイケアセンター)Tel / Fax(078)252-0322
12月 5, 2014